<サンゴ礁>
静岡大学創造科学技術大学院・海洋生態系・生物地球化学研究室は、沿岸生態系における有機物・栄養塩循環、食物網・微生物ループ、海洋酸性化、基礎生産力、窒素固定などを研究テーマとしています。サンゴ礁環境では、サンゴの白化現象や病気、そのメカニズム、また高水温・強い光照度・高濃度の無機窒素流入・その他の汚染物質などの環境ストレス要因との関係について研究を行っています。現在の研究チームは2003年から日本学術振興会(JSPS)の科学研究費補助金を受けて、モーリシャスのサンゴ礁の研究を展開しています。
活動内容
地球規模の気候変動は、世界中のサンゴ礁に影響を及ぼしています。しかし、モーリシャスのサンゴ礁は、大規模なサンゴの白化現象が起きた後でも高い回復率で耐性を示しています。静岡大学の研究チームは、モーリシャスのサンゴ礁から、希少種や固有種を含む耐熱性の高いサンゴをすでに発見しています。しかし、2020年7月のモーリシャス沖での油濁・座礁事故後、流出した油は、油化学物質による毒性と過度の沈殿により、サンゴの白化を引き起こしました。モーリシャスのサンゴは、進行中の地球温暖化シナリオと組み合わせたこの新たな攪乱に対して回復力を持つことができるのでしょうか?モーリシャス大学やNGOと協力して、分子生物学的手法や現地調査により、温暖化という新たなストレス要因に対するサンゴの生理的反応を研究しています。学生や若手研究者の教育・訓練、市民の参加に強く力を入れていきます。最終的な目標は、モーリシャス市民の間に、経済の未来のためにサンゴ礁を守り、その回復に貢献しようという意識を芽生えさせることです。
活動期間
2022年より5年間
活動報告書
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